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単行本。ほのぼのシリアス?【かきかけとけしいん】じんわり暖かい読後感。ネタバレ有ります!



 ほのぼの系、とも言い切れない優しさと切なさが詰まった大人とこどものお話です。

 早くに親を亡くし叔母の家に預けられて、心が擦れてしまったいのは不登校の小学生。
 いのを預かることになったのは無愛想な田舎の大人、ろくだった。

 というのが簡単なあらすじで!
 いの、という名前も、ろく、という名前も可愛いですよね。
 生意気な子供と子供嫌いな大人のやりとりに、いつしか心がほっこりしているお話です。
 どういう事かわからない?
 ろくは子供嫌いですが平等です。
 ここではワガママは通させない、ときっぱり告げ、学校に行っていないいのに家事を手伝わせます。(いのを一人の人として扱っているんですね)

 次第に一緒に住んで一緒に生活していく事が当たり前になっていく二人。
 いのはようやく自分の家族を見つけ、ろくもまたいのを大事にしています。

   スローライフというテーマと共にある不登校、遺児という重いテーマ。
 それをあえて重く扱わず、人付き合いや規則正しい生活、礼儀をいのに教えるろく。
 私の心は、いのにムカつく時があればろくの言動に呆れる時もありました。(子供相手にそんな言い方するなよ…みたいな)
 でも読んでいけば、そんな二人で良いんだと思うようになります。

 ある日、いのは毎週ろくに頼まれている手紙を郵便局に出し忘れてしまいます。
 叱られ家を飛び出すいの。
 家出が解決し、いのは無愛想なろくが、さらに不器用だという事を知ります。
 いのが1歩大人に近付く家出エピソードが、ハラハラしつつ私にとっても大切なエピソードになりました。
実は私は家出らしい家出をした事が無く、母を悲しませる行為というのを殆どした事が無かったんですね。(兄弟喧嘩は除外)
だから疑似体験?のようなものを、いのを通してしました。
今までも他の漫画や本で家出エピソードは読んだことあるんですが、ここまでシンパシーを感じたのは初めてでした。
それだけシンプルでイノセントな表現だったという事でしょうか。

ご近所におすそ分け、なんていう今じゃ少ない文化も見る事ができます。(茶巾が美味しそうな事!)




さてタイトルがどこに出てくるかというと。

まぁ手紙、ですよね。ろくがある女性にしたためるシンプルなその手紙。
お小遣い稼ぎにいのはその手紙を郵便局に出しに行きます。
しかしその日いのは初めて一人で夕飯を作る事に。一生懸命美味しそうな料理を作ったいのでしたが、手紙を出すのをすっかり忘れていました。
これがきっかけでいのは家出する訳です。

ろくからの手紙を待っていたのは、自殺するところをろくに助けて貰った盲目の女性でした。
いのは家出したその足で女性の家へ行きましたが、いのはろくからの愛情で負けていると感じ、すぐに女性の家を飛び出します。
しかしこっそり家に帰ったいのを待っていたのは、徹夜でいのを心配していたろくでした。
怒鳴られ、嫌われると怯えたいのにろくはいのを不器用に抱き締めました。

   最後には中学生になったいのの話が載っています。
 それがまたすんごいほのぼのーって訳では無いんですが、「いのぉぉぉぉおお!よがったねええええ!(泣)」という感じでほっこりが胸に残りました。



   単行本のページ数とキャラクターや話の濃さがちょうどいいとも思いました。
 さくっと良い話を読みたい人におすすめです!
 絵も綺麗で読みやすいです!

これは雰囲気を読む漫画です!!